ヴォーカリスト、作詞・作曲家、エレクトロニクス奏者、サウンド・アーティスト。スタジオ・メスカリーナを拠点にプロデューサー、エンジニアとしても活動中。ソロや複数の主宰プロジェクトでのCD制作、コラボレーション、国際フェスティヴァル出演など数え切れない。ポストパンク、電子音響、アヴァンギャルド、即興、ポストロック、環境、テクノロジーを背景に鋭い感性で活動範囲を広げている。長年にわたって歌姫とも称される。近年、サウンド・アートの文脈でライヴ・インスタレーション、レクチャー、ワークショップも精力的におこなっている。2005年には作品『Stereo Bugscope 00』がオーストリアのアルス・エレクトロニカ2005で入賞。
80年代に大阪の専門学校などで音響芸術を学ぶ。81年に "アフター・ディナー" の中心メンバーとしてレコード制作を開始。個性がきわだつ歌声と実験音響の織りなすアルバム『AFTER DINNER』(84年)がイギリスから発売され、いち早く国際的な評価を得る。87年より海外公演ツアーを始め、2作目『PARADISE OF REPLICA』が89年にCDで発売。90年、前衛音楽家フレッド・フリスのドキュメンタリー映画『STEP ACROSS THE BORDER』に出演。91年に "アフター・ディナー" 名義での活動を停止し、ソロとしての活動を開始する。
90年代、神戸のジーベックにてサウンド・アートに関する展覧会の企画制作にも携わる。95年にソロ・アルバム『HACO (Excellent Waves)』(ミディ・クリエイティヴ)が発売され注目を浴びる。以降、声と独自のコンパクトな電子楽器装置、エレクトリック・マンドリン、パーカッション、音遊具などを用いたパフォーマンスや即興演奏を国内外で展開する。96年に初のソロ・ツアーを行い、ロンドンのLMCフェスティヴァル等で反響を呼ぶ。特にコンタクト・マイクとトイ・スピーカーが作りだすフィードバック音を軽妙にコントロールする「ハウリング・ポット」の演奏は各地で高い評価を得る。同年、クリストファ−・スティヴンズとのギタ−音響デュオ "メスカリン・ゴーゴー" を結成。97年、HACO & "ニートピア"(今掘恒雄:ギター、横川タダヒコ:ベース)でヨーロッパ・ツアーを実施。同年、女性演奏家のよる共作ユニット "ホアヒオ"(八木美知依:箏、Sachiko M:サンプラー)を発足し、デビュー作『ハッピー・メール』を自主制作。98年、国内フェスティヴァルで結成された "カンパネルラ"(内橋和久:ギター、サム・ベネット:パーカッション、ジーナ・パーキンズ:ハープ)のライヴ盤(FBIワークス)が発売される。99年、ソロ・コンポジション及び津山篤、一楽儀光、ピーター・ホリンガー、ピエール・バスティエン、山本精一、内橋和久、大友良英等との共作を含むソング・アルバム『HAPPINESS PROOF』(Pヴァイン)の発売で話題を呼ぶ。同年、身のまわりの音をさがして抽出したり定義したりする環境音プロジェクト、"ヴューマスターズ"(現音採集観察学会)を創立する。
2000年、"ホアヒオ" の2作目『OHAYO! HOAHIO!』(米ザディック)が発売され評判を呼ぶ。2001年、"アフター・ディナー" のセカンド・アルバム(89年)の再発に4曲リミックスを加えた『PARADISE OF REPLICA / PARADISE OF REMIX』(バッドニュース)のCD発売。2002年より "ヴューマスターズ" の企画制作でレクチャー、コンサート、ワークショップの4年連続シリーズ・イヴェントを大阪で実施する。同年、電子機器回路上の動作発振音を拾う「ステレオ・バグスコープ」などソロ・パフォーマンスの新境地をひらく。2003年、火花を散らす即興チェロ奏者 坂本弘道とのコラボレーション『ASH IN THE RAINBOW』(英ReRメガコープ)が発売され好評を博す。同年、電子ブロック・キットの電極 (+/−) を用いた「エンピツ・オルガン」によるサウンド・パフォーマンスを開始。また、"ホアヒオ" の新トリオ(八木美知依:箏、恵良真理:パーカッション)による3作目『PEEK-ARA-BOO』(米ザディック)、架空のニューウェイヴ・グループ "イエスタデイズ・ヒーローズ"(テーリ・テムリッツとの共作)『1979』(仏ラ・ルーシュ)と、異なった作風のCDを次々に発表。2004年には音響作品『STEREO BUGSCOPE 00』(Improvised Music from Japan)が発売されると同時に、エレクトロニカやサウンド・アートの方面からも絶大な評価を得る。2005年には、歌とエレクトロニクスをフィーチャーしたモリ・イクエ(ラップトップ)、恩田晃(カセット)によるトリオ・アルバム『RAW』(米ザディック)を発表。同年、"アフター・ディナー" の国内デビュー・アルバム(84年)とシングル盤(82年)がリマスタリングCD化され『GLASS TUBE + SINGLE』(ディスクユニオン)として再発。また、コンタクト・マイクを独自に用いた演奏で、ディアン・ラブロッス(サンプラー)とマルタン・テトロー(ターンテーブル)と共作した『LUNCH IN NISHINOMIYA』(Improvised Music from Japan)が発売される。
主なCD作品
1984-1991 アフター・ディナー『AFTER DINNER / Live Editions』(英ReR Megacorp / ロクスソルス)
1995 ソロ『HACO』(ミディ・クリエイティヴ)
1999 ソロ『ハッピネス・プルーフ』(Pヴァイン)
2000 ホアヒオ『OHAYO! HOAHIO!』(米Tzadik)
2001 アフター・ディナー『パラダイス・オブ・レプリカ / パラダイス・オブ・リミックス』(バッドニュ−ス)
2003 HACO & 坂本弘道『アッシュ・イン・ザ・レインボウ』(英ReR Megacorp)
2003 ホアヒオ『PEEK-ARA-BOO』(米Tzadik)
2003 イエスタデイズ・ヒーローズ(HACO & テーリ・テムリッツ)『1979』(仏La Louche)
2004 ソロ『STEREO BUGSCOPE 00』(Improvised Music from Japan)- アルス・エレクトロニカ2005(デジタルミュージック部門)入賞
2005 シナプス(HACO/モリ・イクエ/恩田晃)『RAW』(米Tzadik)
2005 アフター・ディナー『GLASS TUBE』+ SINGLE(ディスクユニオン)
2005 ディアン・ラブロッス/マルタン・テトロー/HACO『LUNCH IN NOSHINOMIYA』(Improvised Music from Japan)
2007 ソロ『RISKA』(Arcangelo / ディスクユニオン)
主な公演
1989 アフター・ディナー、ヨーロッパ19都市公演ツアー*
1990 アフター・ディナー、"ヴィクトリアヴィル・フェスティバル" 公演(カナダ)*
1997 HACO & ニートピア、スイス・イタリア公演ツアー*
2000 ホアヒオ、フェスティヴァル "シティー・オブ・ウィメン" 公演(リュブリャナ、スロベニア)*
(*国際交流基金助成)
2001 ソロ、Japanoramaツアー参加公演(イギリス、ベルギー)
2002 ソロ、(映像:アレックス・マッケンジー)、第15回 "The Images Festival of Independent Film & Video" 公演(トロント、カナダ)
2002 ソロ、オランダ東インド会社400周年記念イヴェント "Upstream" 委嘱作品公演 (アムステルダム、ホルン)
2002 パフォーマンス作品 "バグフィールド"、ヴューマスターズ・コンサート(大阪市築港赤レンガ倉庫)
2003 サウンド & ヴィデオ・パフォーマンス作品「ハウリング・ローズ」(HACO + 田尻麻理子)、"The 2nd Women's Performance Art Osaka"(都住創センター、大阪)
2003 ソロ、Spring Reverb(サンディエゴ現代美術館)、San Francosco Alternative Music Festival(サンフランシスコ)
2004 アッシュ・イン・ザ・レインボウ、ヨーロッパ5カ国13都市公演ツアー
2005 ライヴインスタレーション「BUGSCOPE at SPUTNIK (電気トロリーバス) 」、"Trollofon Festival"(ベルゲン、ノルウェイ)
2005 パフォーマンス作品「STEREO BUGSCOPE」(Artspace、シドニー、オーストラリア)
2006 ダンス作品「SETTING」(振付:Lucy Guerin)の作曲・演奏(オーストラリア - 日本 ダンスエクスチェンジ2006)、"Melbourne International Arts Festival" 公演、メルボルン(オーストラリア)
2006 ソロ(voice, laptop, effects)、"Serralves em Festa" 公演、ポルト(ポルトガル)
2007 舞台作品「Up To Date」(振付:Claudia Triozzi)の作曲・演奏、"Rencontres Choregraphiques International de Seine-Saint-Denis" 公演、Theatre
de la Commune、パリ(フランス)
主なレクチャー & ワークショップ
2001 カール・ストーン(作曲 / コンピューター)の作品「Adana Urfa」で声の共演とトーク(ジーベック、神戸)
2002-2005 ヴューマスターズ(現音採集観察学会)としてレクチャー、コンサート、ワークショップを企画制作(大阪市築港赤レンガ倉庫)
2003 教育アートプログラム "ネイチャー・アート・キャンプ" の一環で、子どものためのワークショップ「音さがしのピクニック」を Yuko Nexus6 と共に実施(神戸市立自然の家)、及び単独で学校訪問授業(神戸市立雲雀丘小学校)
2005 サウンドワークショップ「ウキウキ音観察ウォークとサウンドパレットCD制作!」、及びトーク & コンサート(山口情報芸術センター)
2006 "ヴューマスターズ [大阪 - メルボルン] リミックス" 展覧会、レクチャー、コンサート、ワークショップ、浜寺公園ギャラリー / 路面電車(阪堺電車)、大阪(日本)