フリージャズ、インプロヴァイジング・ミュージック、創造的音響音楽、ダンス、演劇、映像、詩朗唱、演劇等の明日を志向する前衛表現、また時にはシリアスなティーチ・インや対談なども取り上げていきたいと思っています。
第21回
2006年1月5日(木)午後8時開演
Mikko Innanen(サックス)、加藤崇之(ギター)
2,500円 + 1ドリンク代(500円〜)
フィンランドのマルチ・サックス奏者、ミッコ・インナネンが初来日する。27才の若いプレイヤーだが、ハン・ベニンクに「彼は絶対に将来を約束されたリ ード奏者だ」と折り紙をつけられているミュージシャンだ。
私は、彼から送られてきた4枚のCDを聴いて、ベニンクの言葉を納得した。若々しい実験性と共にベテラン・プレイヤーが演奏しているような味わいがあ り、なにより熱い情熱を持っている。ジャズ文化を国家がバックアップしているフィンランドが生んだこの俊才は、日本の芸大にあたるシベリウス・アカデミ ーを卒業した後も、デンマークのリズム・ミュージック・コンセルヴァトアールに学び、2000年にはスペインの国際コンペティションでベスト・ソロイス トの賞を取っている。最近ではハン・ベニンクの他、ジョン・チカイとも共演したCDを作っている。だから、アイデアと閃きに満ちたギタリスト加藤崇之に 共演してもらうことにした。06年の初聴きには絶好のデュオ・ライヴである。
第20回
11月20日(日)午後8時開演
朴美妍(ミヨン):ピアノ
朴在千(パク・ジェチュン):パーカッション
早坂紗知:サックス
2,500円 + 1ドリンク代(500円〜)
韓国からフリー・インプロヴァイジング・ミュージックのトップ・デュオが来日する。韓国のフリー・ミュージック界といえば、カン・テーファンやキン・デ ーファンが道を切り開いた訳だが、それに続くMiyeon & Park Duoが、今凄まじい上昇を示している。今年リリースされたこのデュオのCD『Queen & King』について、私は断言するが、世界の何処に持ち出してもはばからない演奏で、自己のオリジナル曲の他に富樫雅彦と佐藤允彦の曲が取り上げられている。抒情的なイントロに続く激しい情熱的なフリー・インプロヴィゼイションは、高度なリズム解釈に支えられて、知的な音楽空間を創りだしていくのだ。パク・ジェチュンは長くカン・テーファンのパートナーを勤めた打楽器奏者。ミヨンは佐藤允彦に師事した俊才の美人ピアニスト。このふたりと早坂紗知は、韓国でも何度も共演して気心の知れた間柄だ。センセーショナルな演奏。これは是非聴いて欲しいのだ !!(副島輝人)
第19回
10月14日(金)午後8時開演
Frank Gratkowski(アルト・サックス、クラリネット)、翠川敬基(チェロ)
2,500円 + ドリンク代(500円〜)
ドイツのケルンから、強力なインプロヴァイザーが来る。メールス・ジャズ祭のスペシャル・プロジェクトに出演していた Fran Gratkowski のアルト・サックスを聴いた時には、一寸驚いた記憶がある。非常に音色が美しく、キレのある演奏だった。ドイツのインプロヴァイザーといっても、例えればペーター・ブロッツマンよりはアンソニー・ブラクストン風なと云ったらいいのだろうか。サウンドはとてもクレヴァーである。主知的、美学的なプレイヤーだ。当年42才、ハンブルグ生まれ。トニー・オクスレーやクラウス・ケーニッヒなどのオケでソリストを担当していたが、その後ポール・ロヴェンスやジョン・リンバーグとデュオを組んで多くのジャズ祭に出演、最近ではジェリー・ヘミングウェイ、ワルター・ウィルボスとの仕事が多い。世界には、まだ日本であまり知られていない凄いミュージシャンが大勢いるのだ。共演する日本のミュージシャンには、最後の"ロマン派"を名乗る翠川敬基が最適と思って呼び出した。久し振りに再開する副島企画に強力なデュオを提供出来ることになって、僕は今回、特に力が入っている。(副島輝人)
第18回
2005年3月12日(土)午後8時開演
Blaise Siwula(アルト・サックス)、板倉克行(ピアノ)
前に予告したケシャバン・マスラクが、突然来日出来なくなり、出演者が変更になったことをお詫び致します。しかし、我々の未だその名を知らない素晴らし いインプロヴァイザーが、世界には大勢います。そういう未知のミュージシャンのライヴに触れるのも、僕はとても楽しみにしています。ニューヨークから来るBlaise Siwulaは、セシル・テイラー、ペーター・コヴァルト、ウィリアム・パーカー等と多くの共演体験を持つサックス・プレイヤーです。音楽だけでなく、ダンス、演劇、詩など多くのジャンルにまたがる幅広い表現者でもあります。彼をよく知る板倉克行さんの話では、「包む感じがありながら、常に発展を真摯に求めるジェントルマンで、優しい人柄」だそうで、また「昔会った江戸っ子のような雰囲気と心を持っている」ということです。それなら、下町ライヴ・スポットの「なってるハウス」にこそ出てもらうべきミュージシャンのようです。(副島輝人)
第17回
2005年2月18日(金)午後7時30分開場、8時開演
佐藤通弘(津軽三味線)、勝井祐二(ヴァイオリン)
2,500円 + ドリンク代(500円〜)
日本の伝統楽器としては最もポピュラーな撥音楽器である三味線と、ヨーロッパでは最もポピュラーな撥音楽器と云われるヴァイオリンの出会いである。それは「情」が高度な感性にまで突き抜けた東洋の音と、合理的な構造から抽象的な精神性を目指す西洋のトーンとが交わるサウンドとなるだろう。それよりなにより、この二人のミュージシャンは、音楽創造に向かう心の方向性と真摯さがとてもよく似ていると思ったので、私はこのデュオを企画したのだ。「左手が何かをしているかと思えば、右手は全く違うことをしている。葛藤を繰り広げている二本の腕の間に閉じ込められ、揺れに揺れている人」(イヴリー・ギトリス『魂と絃』より)という二人の弦奏者が、都合七本の糸から作り出す音楽は、どの様な空間を切り裂いていくのか。乞う、大なるご期待!!(副島輝人)
第16回
2005年1月23日(金)午後7時開場、7時30分開演
Ab Baars (リード)、梅津和時 (リード)
初来日のAb Baarsは、当年49才でオランダICPの第二世代に属するリード奏者である。ICPには、いずれ劣らぬ個性的なミュージシャンが多いが、その中でも とりわけユニークなサウンドを表現する人として知られている。それは、とぼけているようで、真面目で--なんとも云い難い独特の演奏をするのだ。彼の師にあたるミッシャ・メンゲルベルクが「彼の音楽は、Ab Baarsの音楽としか言い様がないね」と語っている通りだ。
そのAbとデュオを組むのが、日本屈指の鋭さと並外れたユニークさを持つ梅津和時。絶対の顔合せだ。私は、外国の曲者ミュージシャンが来る時、いつも梅津和時を呼んで付合ってもらうことにしている。(Carlo Actis Datoの時もそうだった)梅津和時なら、どんな曲者と会っても、上手に相手をして見事なサウンドに仕上げてくれるのだ。もちろん二人は初共演。そして梅津和時のなってるハウス初登場でもある。乞う御期待 !!(副島輝人)
第15回
2004年12月17日(金)午後7時開場、7時30分開演
久し振りに《副島輝人・企画》を提供します。前衛的表現とは……私は「異端の美学」だと思っています。その方向に沿ったものばかりを選んで提供します。
ブルース・アイゼンベイル(ギター)、板倉克行(ピアノ)、大沼志朗(ドラムス)
2,500円 + ドリンク代(500円〜)
アメリカの俊英インプロヴァイザーが「なってるハウス」に現れる。ブルース・アイゼンベイルは、アメリカの音楽ジャーナリスト達に「10年にひとりのギターの逸材である」(Jazz Times) とか「抽象的な針金細工の繊細さと底流にある厳しいリリシズムは、ジャクソン・ポロックの絵画を耳で聴いているようだ」(Downbeat)と評されている。
板倉と大沼については、二人をよく知る相田誠が、「板倉さんは、自由なソロから共演者の出す音・メロディにたちまち反応して、完全即興という異次元の世界に入っていく。力強く、優しく、メロディアスな演奏は素晴らしい。大沼さんは、スパスパと気持ちの良いリズムを刻みながら、要所ではガーンと鋭く爆発する凄いドラマーです」と語っている。このトリオには、心の最奥にまで響く今日のフリージャズが期待されるのだ。
第14回
2004年11月23日(火・休日)午後7時開場、7時30分開演
今井和雄(ギター、テーブル・サウンド)ソロ
2,500円 + ドリンク代
高柳昌行から只一人免許皆伝を得たギタリスト、小杉武久タージ・マハル旅行団に参加していたミュージシャン。その異才、今井和雄が全く異なるふたつの音楽空間を創出する。そのひとつはマイクすら使わない生ギターで、一音に厳しい透徹したサウンドを紡ぎ出す非エレクトリックの演奏。もうひとつは彼自身 「ライヴ・エレクトロ・アコースティック」と称するメソッドで、テーブル上を滑り転がる小物たちの音を増幅し重ね合わせて、ノイジー・シンフォニック・サウンドを構築していくものだ。演奏終了後、時間が許せば副島が今井にインタヴューする。
第13回
2003年12月5日(金)午後7時開場、7時30分開演
ネッド・ローゼンバーグ(サックス)、八木美知依(二十絃箏)デュオ
第12回
2003年7月13日(日)午後7時開場、7時30分開演
遠藤公義(舞踏)、石渡明廣(ギター)即興コラボレーション
2,500円+ドリンク代
第11回
2003年4月19日(土)午後7時開場、7時30分開演
昨年12月、5日間の「インデペンダント・アンダーグラウンド・ミュージック・フェス」は大好評・大盛況を得ましたが、その記録ヴィデオの上映会を行い ます。
第10回
2002年12月19日(木)〜23日(月・休日)午後7時開場、7時30分開演
『インディペンダント・アンダーグラウンド・ミュージック・フェスティヴァル』
第9回
2002年11月17日(日)午後7時開場、7時30分開演
ヴェチスラフ・ガイヴォロンスキー(トランぺット)、斎藤徹(ベース)デュオ
料金:2500円(ドリンク代別)
第8回
2002年5月24日(金)午後7時開場、7時30分開演
崔善培((トランペット))、黒田京子(ピアノ)
料金:2500円(ドリンク代別)
第7回
2002年5月5日(日)午後7時開場、7時30分開演
柳川芳命(アルト・サックス)、山沢輝人(テナー・サックス)
料金:2500円(ドリンク代別)
第6回
2002年4月20日(土)午後7時開場、7時30分開演
シンポジウム「今日の即興音楽について」
司会:副島輝人
パネラー:佐々木敦、不破大輔、大友良英、末次安里
オブザーバー:木村真悟
料金:1500円(ドリンク代別)
第5回
2002年3月9日(土)午後7時開場、7時30分開演
姜泰煥(サックス)ソロ
料金:2500円(ドリンク代別)
第4回
2002年1月29日(火)
ネッド・ローゼンバーグ(サックス)ソロ
第3回
12月15日(土)午後7時開場、7時30分開演
ローレン・ニュートン(ヴォーカル)、豊住芳三郎(ドラムス)デュオ
料金:2500円
第2回
11月11日(日)
佐藤允彦(ピアノ)朴在千(パーカッション)デュオ
第1回
9月9日(日)
沖至 + 大沼志郎トリオ