Improvised Music from Japan / View Masters / Information in Japanese

最終回(2005年11月〜12月 )イヴェント・スケジュール

『音から透かしみる未来』

今年は、ポストサウンドスケープ、新路上観察主義、ポスト音響の方向に焦点を当ててみます。この四年間を振り返るに、デジタルテクノロジーを背景としてさまざまな耳の変換がもたらされました。携帯電話のマルチ化、テクノイズ、Japanインプロ、iPodの出現、ネットラジオなども含まれるのではないでしょうか。四年間の流れや背景を俯瞰した内容で、「ヴューマスター」的、未来をさぐってみましょう。またその中でコンサートは、 音の観察や抽出をキーワードにし、次代をになう若手アーティストたちの視点を特集します。

レクチャー
11月13日(日)午後2時30分開場、3時開演

トーク・アーティスト:Haco、Yuko Nexus6、小島剛
「ひとつのアプリケーションとしての "View Masters"」
参加者とともに歩んだヴューマスターズの活動報告、イベント記録と解説

ゲスト:細馬 宏通「絵はがきを再訪する〜風景と現実感〜 」

コンサート & パフォーマンス
11月20日(日)午後2時30分開場、3時開演

山本 雅史
タイトル Here, There and Everywhere(自分自身の記憶と赤レンガ倉庫自身の記憶を重ねる)

OTTO (中垣みゆき & 実樹ちとせ)
タイトル おとあそぶ(かくれんぼする音この指とまれ)

川口 貴大
タイトル 2本のマイクロフォンから抽出される6本の瓶と空間の音色、その操作

梅田 哲也
タイトル アンテナみみ(ひとつの環境で変化する聞こえ方、消滅するおと)

ワークショップ
12月4日(日)午後2時30分開場、3時開演

参加者 + 講師:Haco、Yuko Nexus6
進行:小島剛
ゲスト・コメンテーター:松前 公高
レクチャー受講者、一般公募者を対象とし、各個人でサウンド・スポッティング(路上音観察)したレポートを前もって提出(締切11月28日)していただきます。当日は、参加者の報告発表と講師によるコメント、考察などを楽しく学習的なタッチで展開していきます。見学のみによる参加も可。(音観察レポート提出者には、2005年度のVM特典シールがもれなく進呈されます)



参加者プロフィール

Haco
音楽家、プロデューサー。80年代に大阪の専門学校などで音響芸術を学び、After Dinnerの歌手 / 作曲家として国際的な評価を得る。90年代、神戸のジーベックにてサウンド・アートに関する展覧会の企画制作にも携わる。99年にヴューマスターズ(現音採集観察学会)を創立。これまでにソロやHoahio等のCD発売、海外フェスティヴァル出演など多数。2005年には作品『Stereo Bugscope 00』がオーストリアのアルス・エレクトロニカで入賞。

Yuko Nexus6
1964年大阪生まれ。Max/MSPをあくまで素人くさく使用したコンピュータ音楽に加えて、最近は様々な歌唱形態に挑戦。新譜『NEXUS6 SONGBOOK』(www.sonore.com)は全編これ歌モノ! 田尻麻里子とのAudio Visualユニット「YukoMariko」で国内外を荒らし回る。中京大学情報科学部、名古屋学芸大学メディア造形学部非常勤講師。

小島剛 (Kojima Takashi)
96年ごろよりコンピュータとサンプラーを使った演奏を始める。これまで国内外での活動多数。近年は "聴覚的サウンド・アトラクション" というアプローチで、PAシステムと会場の鳴りの関係性をテーマにしたマルチチャンネル・スピーカシステムによるコンサートをおこなうなど、よりサイト・スペシフィックな演奏に興味をもっている。またNPO大阪アーツアポリアのサウンドプログラム・ディレクターとして、築港赤レンガ倉庫を中心に企画を多数おこなっている。

細馬 宏通 (Hosoma Hiromichi)
1960年西宮生まれ。滋賀県立大学 講師。人間の日常会話とジェスチャーの研究をおこなう一方、さまざまな視覚メディア史を掘り起こす作業をおこなっている。2004-5年に雑誌 『ユリイカ』に16回に渡って「絵はがきの時代」を連載。著書に『浅草十二階』(青土社)。かえるさん名義でデジオ「ラジオ 沼」(http://www.12kai.com/numa)、唄ものユニット「かえる目(もく)」など。

山本 雅史 (Yamamoto Masafumi)
1968年大阪生まれ。自称働く表現家。某倉庫会社で中間管理職として激務をこなしつつ、関西各地のワークショップやイヴェントに出没。最近のトピックは、フランスのメディア・アーティストであるルカ・マンシオーネ氏作成の映像作品『La vie ordinaire de Yamamoto San』に出演、8月にフランスの映像フェスティヴァルにて上映。今回の作品は、自身の会社生活/家族生活での記憶と赤レンガ倉庫の記憶を音で表現/再現する。最近、ゴルフの練習を始めた。

OTTO
ヴューマスターズの参加をきっかけに、2003年に中垣みゆきと実樹ちとせで活動開始。周りで聞こえる身近な日常の音を採集。それらをコラージュして音を創るサンプラー・ユニット。また中垣みゆきは唄うたいとして「ばきりノす」でも活動中。

川口 貴大 (Kawaguchi Takahiro)
1980年生まれ。大阪、長野、東京、神奈川を点々と移動し、ようやく大阪へ舞い戻る。内田百鬼園と暖かいコーヒーが好き。フィールド・レコーディングに焦点を絞った作品は、全ての録音対象から、ただ音だけを純粋に切り離したかのような響きを持つ。最新作にコンピレーションCD『In Drawing』(Cherry Music, 日本)、PDFマガジン『Sonic Scope Quarterly #4 』(Grain of Sound, ポルトガル)がある。

梅田 哲也 (Umeda Tetsuya)
現象としての音の動きや立体感に対するアプローチを続けながら、廃材や自作ツールを使用した作品を多数制作。場所や空間のキャラクターに焦点を当てたサウンド・インスタレーション、インプロヴィゼーションのパフォーマンスを各地で展開。

松前 公高 (Matsumae Kimitaka)
きどりっこを経て87年アルファレコードより山口優とのユニット、エキスポでデビュー。セガのゲームミュージック・バンドS.S.T.BANDやハイポジ、東京少年、松岡英明バンドなどでも活動。トランソニックレコードからスペースポンチ(With 岸野雄一、常盤響、Mint Lee)、ソロ・アルバムもリリース。BEATMANIAなどゲーム音楽も多数。マニュアルオブエラーズアーティスツ所属。


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PA: 工藤聡史(ワンボイス)


Last updated: October 12, 2005