「音」観察をきわめる 〜 サウンドアート編 〜
気になる身のまわりの「音」を拾って定義したり、鑑賞したり、楽しんだりする「サウンド・スポッティング」をテーマにこれまで2回のイヴェントを展開してきました。さらにそこから何を表現していけばいいのか? どんな方向性が見いだせるのか? アートや映像の分野で活躍する作家やキュレーターを招き、今回はそんな問いに対するヒントを様々な視点からさぐっていきます。※11/7〜12/5の期間中、ヴューマスターズ活動記録の資料展示も有り。
●レクチャー
11月7日(日)午後2時30分開場、3時開演
トーク・アーティスト:Haco、Yuko Nexus6、小島剛
ヴューマスターズの活動報告、2003年度イヴェント記録と解説、子どものためのワークショップ・ネイチャー・アートキャンプ「音さがしのピクニック」などの紹介。
ゲスト:畠中 実「音から観察される世界」
サウンドと映像ライブラリーの視聴をまじえながら、私たちをとりまく音の環境、サウンド・インスタレーションやフィールド・レコーディングなどについても、ゲストに紹介していただきます。
●コンサート & パフォーマンス
11月14日(日)午後2時30分開場、3時開演
佐藤実 (m/s)
タイトル A case of space-time distribution as a field of thermal exchange: Using two tuning forks and a sine-wave oscillator(ふたつの音叉とひとつの正弦波発振器による: 熱交換の場としての時空間の分布)
角田俊也
タイトル Dotted Contour(振動盤と物体の接触音と電子回路上の断続音による微細な点描風景)
ニシジマ アツシ
タイトル Subtractive Creation
●ワークショップ
12月5日(日)午後2時30分開場、3時開演
参加者 + 講師:Haco、Yuko Nexus6、甲斐賢治、松井智惠
進行:小島剛
ゲスト・トーク:甲斐 賢治「remoの活動とview masters的映像表現のおもしろさについて」
レクチャー受講者、一般公募者を対象とし、各個人でサウンド・スポッティング(路上音観察)したレポートを前もって提出(締切11月29日)していただきます。当日は、参加者の報告発表と講師によるコメント、考察などを楽しく学習的なタッチで展開していきます。見学のみによる参加も可。(音観察レポート提出者には、2004年度のVM特典シールがもれなく進呈されます)
Haco
音楽家、プロデューサー。80年代に大阪の専門学校などで音響芸術を学び、After Dinnerの歌手 / 作曲家として国際的な評価を得る。90年代、神戸のジーベックにてサウンド・アートに関する展覧会の企画制作にも携わる。99年にヴューマスターズ(現音採集観察学会)を創立。近年、声と電子楽器による演奏に加え、ハウリングポット、ステレオバグスコープ、エンピツオルガンなどを用いた独自のパフォーマンスを展開。これまでに、ソロやHoahio等のCD発売、海外フェスティヴァル出演など多数。
Yuko Nexus6
サウンド・スポッター。クリアで自然なハイファイ音よりも、曖昧かつ奇妙なローファイ音を愛好。Macintoshやカセット・テープをつかったハイテク + ローテク演奏を国内外で行うパフォーマーでもある。2002年秋にフランスSonore Recordsから出したソロCD『Journal de Tokyo』が2003年度アルス・エレクトリカにてHonorary Mentionを受賞。中京大学、名古屋学芸大学非常勤講師。滋賀県在住。
小島剛 (Kojima Takashi)
パソコン音楽家、NPO法人「大阪アーツアポリア」サウンド・アート・ディレクター。大学在学中よりドラマーとして活動する傍らミューック・コンクレートやミニマル・ミュージックに影響を受け、テープ・コラージュやフィールド・レコーディングなどを行い、国内外で演奏活動を行う。
畠中実 (Hatanaka Minoru)
1968年生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター学芸員。おもな展覧会は「サウンド・アート一 音というメディア」(2000年)、「ダムタイプ:ヴォヤージュ」(2002年)、「サウンディング・スペース」(2003年)など。他コンサートの企画も多数手掛ける。
佐藤実 (Sato Minoru, m/s)
1994年レーベルWrKを角田俊也と共に設立。 インスタレーション、パフォーマンス、出版、執筆など、自身の制作活動における関心は物理現象とその概念(受容)にある。またSASW名義で音楽活動も行っている。
角田俊也 (Tsunoda Toshiya)
1964年神奈川県生まれ 音の知覚やフィールド・レコーディングを糸口として、私たちの体験に現れる空間の在り方を問い直す活動制作を実践。CD発表(WrK、Hapna、Fringes、Lucky Kitchen、Sirr、Naturestrip からソロCD、Touch、Staubgold 等のコンピレーションに参加)と平行してインスタレーション作品を制作。
ニシジマ アツシ (Nishijima Atsushi)
80年代半ばより実験音楽の製作、演奏と共に、音から発想した作品による展覧会活動も始める。近年、ニューヨーク (Location One/NYC) にて個展、「One Hand Clapping: The Interstices of Sound, Language, and Silence - Smack Mellon/Dumbo」をはじめ、数々のグループショウにも出展している。また、Location One、Knitting Factory、Tonic-NYC・Galapagos-Brooklyn 他で、ライブも行っている。国内でも、小杉武久、高橋悠治、高橋アキ、Haco、ヤマタカ・アイ、カール・ストーンなど、数多くの音楽家と共演し、演奏や展覧会活動など精力的に活動している。
甲斐賢治 (Kai Kenji)
有限会社インテラスディック社代表取締役、NPO remo/記録と表現とメディアのための組織代表理事、NPO recip/地域文化に関する情報とプロジェクト理事)。職業としては、主に文化政策における事業のデザイン、コーディネート、マネジメントを行う。remoではメディアと個人の関係をもっとダイレクトに、そして情報を吟味する力の創出を、recipでは文化の "地産地消" を目論む。"ここ" に、個々人が持つ多様な価値判断から巻き起こるダイナミックな循環がおこれば、有機物から精神まですべては活性するに違いない。
松井智惠 (Matsui Chie)
大阪市出身。京都市立芸術大学で美術を学ぶ。個展とグループ展の機会に恵まれ、主に関西地方で作品発表を重ねる。ときどき海外展へ参加。80年初頭から、見よう見まねで始めた現代美術の表現方法を、今も模索中。インスタレーション、ドローイングなどから、最近は映像作品をコラボレーションで制作。あんぱんが好物。
Design: MGX. Factory
PA: 工藤聡史(ワンボイス)