Improvised Music from Japan
〜このCDを聴いてくださる方へ〜
以下の奏者自身によるメモによって、あなたの自由な聴取を邪魔したくありません。ご自分の好きなように聴いていただきたいのです。しかしながら、もしこのメモがあなたにとって必要ならば、是非お読み下さい。
- 古池や
義太夫三味線に本来備わっている豊かな倍音を辿ってみた。禅の修行ってこんな感じなのかな?
- 風が遠くで
かすれたり、ねじれたり、きしんだりする '不自由な' 音もまた楽しい。
- 雨やどり
三味線は撥で演奏しなくちゃ '良い音' が出ない、ということはなかったんだ。
- ゆき
与謝蕪村の筆による「夜色楼台図」のイメージと重なった。
- 地霊
日本では古くから、宗教者によって悪霊が地面の底へと踏み鎮められる風習があった。そういえば、三味線の音は地の底に向かって響いているなあ、と感じたことがある。
- 流転
何年も前、ある人に横山大観の「生々流転」を義太夫三味線で表現することを約束したが、いまだ果たせずにいる。
- 山の端
山の向こうには「あの世」があるという。道理で、山を眺めているだけで幸せな気分になれる訳だ。
- おとづれ
死者の魂は、風が吹いてくる音とともにやってくる。
- たゆた
知らない街をあてどなくさまよい続けよう。ずっと、ずっとーー。道連れはないけれど、歌が友達だ。
- The Gateway
そして、再び異次元への旅立ちである。
田中悠美子