ステレオ・バグスコープ (Stereo Bugscope)
バグフィールド (Bugfield)
「ステレオ・バグスコープ」は、電子機器内部における回路上の動作発振音を検出するシステム。ふたつの誘導性マイクロフォン(ピックアップ)を用いて機器回路から発生した電磁界を覗く。機器からかすかに磁気漏れした音声周波数の信号と同様の波形が、ピックアップの誘導コイル内にも発生し、それを電気的に増幅している。これらは通常、不可聴な微弱信号である。発生源との位置、距離の関係により音の変化が観察できる。「バグフィールド」はこのシステムを用いたヴィデオ & パフォーマンスや、複数のピックアップによる音響インスタレーションなどのシリーズ作品。
エンピツ・オルガン (Pencil Organ)
電子ブロック・キットのテスター棒 (+/-) を用いて演奏する。鉛筆で塗りつぶした紙シートをなぞる、左右の手で握るなどして、発振回路の抵抗値を変化させつつ音変換する。回路は拡張したり、チップの接触不良を起こしたりして、不安定な状態をキャッチする。『私たちの体内でも神経が電気で伝わるところがあり、極めて微弱だが磁界が発生する』という現象を取り入れたパフォーマンス作品。
ハウリング・ポット (Howling Pot)
円筒形のポットの中にコンタクトマイクを入れ、玩具(ヴォイスチェンジャー:音声変調器)の小さなスピーカーとの間に起こるフィードバック(音響的円還)をコントロールする。ポットの蓋を開け閉めすることによって、空間容量を変化させる。コーヒー豆や声を使ったり、マレットで叩いたりして、音響的な相互作用を利用したパフォーマンス作品。